2010.06.10 Thursday

路線バス乗りつぶし 京王バス編 その8

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    ●京王電鉄バス 桜91 聖蹟桜ヶ丘駅→桜ヶ丘車庫


     京王線の「聖蹟桜ヶ丘駅」から同じく多摩市内の「桜ヶ丘二丁目」との間を結んでいる路線が「桜91」系統で、聖蹟桜ヶ丘駅側だと平日67便・土曜63便・休日60便(全日とも深夜バスを含む)運行されている最寄駅と住宅地を結ぶ典型的な生活路線ですが、このうち休日の1便だけ京王電鉄バス桜ヶ丘営業所のある「桜ヶ丘車庫」まで営業運行している便が存在します。この便は京王バスのWeb時刻検索と現地のバス停ではその存在を知ることができますが、同社が無料配布している「KEIOバス路線図」や「東京都内乗合バス・ルートあんない」では掲載されていないマイナーな運行系統となっています。

     「桜91・桜ヶ丘車庫」行きは休日の聖蹟桜ヶ丘駅19時23分発の1回だけ。今回乗車したのも祝日でした。乗り場はバスターミナルの「4番乗り場」からで、ここは「桜91」系統だけの専用ポールで、「京王せいせきショッピングセンター」の出入口の真ん前という、乗り場の位置としてもいわば「一等地」に配置されています。これから向かう桜ヶ丘住宅地は1960年代初頭に当時の京王帝都電鉄が自ら開発分譲したもので、そこは高台から聖蹟の街を一望できる閑静な住宅街で、今でも高級住宅地としての地位を保っています。このバスの乗り場が、電車からの乗り換えや買い物にも一番便の良い位置が充てられているのもそれが理由かもしれません。
     
     発車時刻の5分ほど前に中型ロングの日産ディーゼルJP・ノンステップ車が入ってきて、これがその休日に1便しかない「桜ヶ丘車庫」行きのはずですが、行先表示は通常の便と変わらない「桜91・桜ヶ丘二丁目」行きとなっていました。しかし、これがその当該入庫であるはずなので、とりあえず乗ってみることにしました。この便の前車は座席がほぼ埋まるほどの乗車率で出ていきましたが、当便は私を含め7名で発車となりました。バスの行先表示は通常便と同じであるものの、バス停の時刻表は色分けされ「桜ヶ丘車庫」行きとして案内しているため、もしかすると一部の利用者にはこの便だけ全く別の路線と思い込まれているのかもしれません。

     19時23分、定刻通り発車しますが、発車直後の案内放送ではしっかり「桜ヶ丘車庫行きです・・・・・・」とアナウンスがあり、ここでようやく間違いないことを確信しましたが、いつも当たり前のように思っている行き先のバスが、いつもと違う行先表示だったとしたら、きっと利用者を戸惑わせるだけなので、このように事業者側の都合で走らせているような免許維持路線の場合にはこの方法で良いのかもしれません。駅から車庫まではダイレクトに行けば100円区間(1キロ程度)に入るほどの距離でしかなく、このような路線でわざわざ車庫まで大回り乗車するのは、私のような、ある意味特殊な利用者だけだと思います・・・・・。

     さて、バスターミナルから出たバス路線の多くは川崎街道を左右どちらかに分かれていくのですが、「桜91」系統だけは直進し、早速単独経路になります。「霞ヶ関橋」で大栗川を渡ると、道路は突然急な上り坂とヘアピンカーブが続くまさに「峠道」になり、このつづら折りの道で一気に高台へと駆け上がっていきます。賑やかな駅前からわずか1〜2分のうちにこのような光景が展開するため、初めて乗車した場合は結構感動モノかもしれません。ちなみにこの坂道は「いろは坂」といい、あの日光の「いろは坂」にも負けないほどの険しさを感じさせます。

     そして、それを上りきると「浄水場前」バス停があり、ここで2名下車。さすがにこの険しさでは自転車利用にも無理があり、バスの利用価値は極めて高いはずです。入庫便の時間帯は夏至の時期に乗っても日没後になってしまい、バスの方向も逆方向なので、あいにく車窓は楽しめませんでしたが、先ほどのいろは坂から見下ろす聖蹟の街並みは素晴らしく、夜景も美しいとのことなので、これはこれで別の機会に訪れる価値はあると思います。

     「桜ヶ丘四丁目」バス停で1名下車。ここはロータリー式交差点の一角にバス停があり、このような構造の交差点も都内にはなかなかないものですが、実はこれらのどこか日本離れした街並みがテレビドラマや映画のロケ、アニメのモデルとして使われることも多く、最もこの街並みを有名にしたのはジブリアニメの「耳をすませば」です。詳しくは検索していただくことにして、「聖蹟桜ヶ丘の街並み」や「いろは坂」、「桜ヶ丘四丁目のロータリー」もこのアニメのワンシーンとして使われており、これをお目当てにしてこの地に訪れる人(いわゆる「聖地巡礼」)は今も多いようです。
     そして、次の「桜ヶ丘三丁目」では降車はなく、その次が「桜91」系統本線の終点「桜ヶ丘二丁目」です。本線区間だけならバス停はわずか6か所、所要10分弱で終点に到達してしまうような短距離路線でした。ここで3名が降り、これより先の区間はやはり私だけになりました。この終点もロータリー交差点の一角にバス停があるため、バスのための折返場はなく、交差点でそのまま方向転換します。大半の便は聖蹟桜ヶ丘駅行きとして折り返すか、回送で車庫に向かうかのどちらかなのですが、休日のこの便だけはさらに先へ営業運行します。乗り場にはバスを待つの人の姿がありましたが、駅方向の利用者で、ここでは誰も乗せずに再び発車となりました。
     バスはさらに先へと進み、約200mほど走ると「桜72/73・聖蹟桜ヶ丘駅〜多摩センター駅・多摩南部地域病院」線が通る都道・乞田東寺方線に出ます。その合流点付近には「東寺方三丁目」バス停がありますが、この出入庫線ではそのバス停の位置の関係で停まらず、「桜ヶ丘二丁目」の次は「落川」になります。

     この先は「桜72/73」系統の聖蹟桜ヶ丘駅方向と同じで「一の宮」まで並走します。この日はたまたま途中客があり「東寺方〜宝蔵橋」の一区間だけ利用者がありました。

     そして「一の宮」バス停を過ぎて、一ノ宮交差点でほとんどの路線が右折するところ、この便だけは左折。これが駅を出てすぐに交差した川崎街道で、曲がると間もなく右側に見えてきたのが京王電鉄バス桜ヶ丘営業所、すなわちここが終点の「桜ヶ丘車庫」ということになります。バスは構内に入ったところで停車し、そこで私は下車しました。気がつくとバスの行先表示は「桜ヶ丘車庫」行きとなっており、恐らく「桜ヶ丘二丁目」で変わったものだと思います。ここまで所要時間は20分、運賃は210円でした。

     さて、この出入庫便、完全な単独経路だったのはわずか200mほどだったわけですが、これの存在理由は一体何だったのでしょうか?これ以後は私の推論ですが、先ほど通ってきた「いろは坂」にポイントがありそうです。それは、あの急な勾配とカーブは市街地では稀に見る険しいものだったわけですが、例えばこの道が降雪や路面凍結などがあった場合、安全が確保できない恐れがあったり、通行止めになる可能性があります。そのときのために迂回経路を確保する目的で、あのわずか200mの区間を免許確保し、残りは既存系統が並行しているため、それらの経路を組み合わせて駅へ向かわせるのが理由ではないかと思います。例えば、降雪時に道路自体に交通規制がかかってなくても、バス運行上安全が確保できないと判断された場合は迂回させた方が良いわけですが、法規上は完全に通行不能でない限り、路線免許のない区間を迂回させることができません。そこで週1便でも路線免許を確保しておけば運行管理者の判断で迂回させることができる、と聞いたことがあるので、高台に住むお得意様の足を守るための免許維持区間なのではないかと考えられます。

    ※「桜91」系統の入庫便は、2014年10月5日のダイヤ改正により、京王バス南・多摩営業所への運行委託・移管のため、系統廃止されました。

    運行形態:A+B、路線図掲載:×、乗車難易度:★★★☆(現在は廃止)


    ●京王電鉄バス 八99 八王子駅南口→西八王子駅南口


     JR中央線・横浜線・八高線が集まるターミナル、「八王子駅」から、中央線なら一駅の「西八王子駅」とを結ぶ路線には、現在南北合わせるといくつもの運行系統が存在しますが、このうち「八王子駅南口」と「西八王子駅南口」とを結ぶものとなると、わずか2系統だけとなります。その2系統とは「富士森公園」経由の「八94」系統と、「南大通り」経由の「八99」系統で、いずれも運行回数は少ないのですが、今回乗車したのは後者の方です。この「八99」系統は2008年4月6日に開業したもので、まだ歴史も浅い路線ですが、現在の運行回数も平日5往復・土休日3往復だけというマイナー路線になっています。

     乗車したのは平日で、八王子駅南口を出るその日の終車となる16時22分発の便でした。乗り場は「八81・めじろ台駅」行き、「八94・富士森公園経由 西八王子駅南口」と共用の「1番乗り場」からで、「八99」系統発車の5分前に「八81」系統が発車するため、乗り場にはそこそこの列ができていましたが、そのほとんどが「八81」系統の乗客で、そのあとの「八99」系統を待っていたのは私を含め2名だけでした。やってきたバスは中型ロングの日野レインボーHRで、担当している八王子営業所から回送で到着しました。
     
     最初は2名だけでしたが、発車直前には2組の親子連れも乗車し、運行回数のわりにはまずまずの乗車率と言えます。
     現在は駅前再開発中の八王子駅南口を出発し、仮設状態の駅前ロータリーを右に出ます。ここから出るほとんどの路線はすぐ先にある八王子駅南口交差点を左折して片倉・北野方面に分かれてしまいますが、この「八99」系統だけは南大通りと呼ばれる道をただひたすら直進し、ほぼ全線が単独経路です。路線的には中央線の線路は直接見えませんが、ほぼ同線の真横を並走しており、この両駅に挟まれた沿線客の利用を当て込んでいるようです。途中の沿線風景も密集した住宅地であり、もう少し利用してもらいたいところですが、すでに自転車などの利用が定着するなどして、難しい面もあるかもしれません。実際にこの便の客層を見ても、シルバーパス利用の高齢者であったり、自転車の利用が難しいベビーカー使用の親子連れなど、ごく限られた人たちが利用するだけのようでした。
     
     次の「本立寺」バス停手前で国道16号線と交差すると、道路は片側一車線になります。ここでさらに1名乗車がありました。
     続いて「市民会館前」バス停で2組の親子連れが下車し、入れ替わりに1名の高齢者が乗車しました。このバス停のすぐ右側には八王子市の「郷土資料館」があります。
     曹洞宗の寺「信松院」バス停のみ乗降がなく通過となった以外は、最後の途中バス停である「都立八王子盲学校」で1名下車し、限られた運行本数と短い運行区間、そして数少ないバス停であってもそれなりに利用者はあって、マイカーを利用しない人たちはしっかりとその時間に合わせて行動されているようでした。

     そして南多摩病院交差点を右折すれば終点の「西八王子駅南口」に到着。ここまで通し客は私だけでしたが、それを含め3名の乗客がありました。ちなみに所要時間14分、運賃は180円でした。
     到着後のバスは行先表示を「西56・法政大学」行きに変えて、続けてその運用に入るようですが、今乗ってきた「八99」系統はこのように出入庫運用を兼ねたもので、現状で運行本数が少ないのもそれが理由のようでした。つまり、今までは営業所から回送で送り込んでいた運用の一部を営業便化し、限られた車両数や要員のなかで潜在需要を掘り起こし、利用が増えれば増発も検討したり、新たに得た路線免許を活用して、並行する鉄道線の異常時には代替ルートにすることや、深夜バスの運行経路に活かすことも可能であり、今後は何らかの場面でこれが活きる機会があるかもしれません。


    運行形態:A+C、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★☆☆


    ●京王バス南 み03 東京工科大学前→八王子みなみ野駅


     今回最後にご紹介するのは、八王子市片倉町にある「東京工科大学前」からJR横浜線の「八王子みなみ野駅」とを結ぶ「み03」系統です。運行区間だけを見ると駅と大学とを結ぶ通学路線に見えるのですが、その運行形態を細かく調べていくうちに何か違和感を覚え、これは直接乗ってみるべし・・・・・ということで、早速現地へ出向いてみました。
     私が何に違和感を感じたかといえば・・・・・・・
     ̄悄疎膤愆屬陵∩に絞っているように見えつつも、なぜか一か所だけ途中バス停が存在すること。
    同大学の交通アクセスを調べたところ、大学自らスクールバスを頻繁運行し、路線バスの存在意義に疑問があること。
    1森圓気譴觧間帯や本数に変に偏りがあり、休日にも一定の運行があること。
    ・・・・・・といった点でした。現在の運行回数も平日10往復・土休日6往復であり、このブログ的にも概ね訪問する条件を満たしていました。

     乗車当日は平日で、できるだけ大学からの帰宅時刻として使われそうな便を選び、東京工科大学前17時53分のバスに乗車しました。これはその日の終車の1便前の便でした。

     前述の通り、東京工科大学では自前でスクールバスを運行していて、当日もかなりの頻度で走っていましたが、駅へ向かうバスはどれも学生で混雑しており、これだけでもかなり規模のある学校であることが分かりますが、大学の敷地も多摩丘陵の一部を切り開いた広大な面積を有しています。スクールバスには敷地内に専用の発着場がありますが、これから乗車する京王バスはその敷地内ではなく、神奈中バス「八72・八王子駅〜橋本駅北口」線の「御殿峠」バス停から歩いて2分ほど、東京工科大前交差点のすぐそばにあった、単なる路上バス停でした。しかも、そのバス停の位置は、ただでさえ右折車線設置のために狭まっている部分に置いてあるため、始発バス停であっても長時間の停車は不可能です。私は神奈中バスに乗って現地に来ましたが、当たり前ですが、接続は悪いうえ、バス停周辺には中古車店とラブホテルしかないので、このような場所で30分も時間をつぶすのはちょっと厳しかったです。もし訪問される際には、両線の接続をよく調べてみてください。ちなみに国道16号線を橋本方向に歩けば、多摩美術大学があり、そこまで行けば他にもいくつかバス路線があります。
     
     そして待つこと30分。国道16号線の橋本方面から一台のバスが回送されてきました。これがその「み03・八王子みなみ野駅」行きでした。担当しているのは京王バス南・南大沢営業所で、どうやらそこから回送出庫してきたようです。車両は大型の日産ディーゼルスペースランナーRA・ノンステップ車でした。私一人だけを乗せて直ちに発車します。
     発車するとすぐ先が長い下り坂で、これを道なりに進む・・・・・、と思ったところ、佐川急便のデポの手前を左折して、唯一の途中バス停である「兵衛二丁目」に立ち寄ります。このバス停周辺は工業団地のような一画で、佐川急便八王子店をはじめ、花王八王子センターなど大手企業のデポがあり、ここに通勤している2名の女性客の乗車があり、学生利用よりもこちらの方がお得意様のようでした。このバス停は上下便ともに同じポールに停車する一方向運行のため、駅方向の便だとまるまる一周(ループ状経路)して、もとの下り坂の道に戻る経路になります。

     さらに坂を下っていきますが、ちょうど夕暮れ時で、遠くに奥多摩の山々のシルエットが望めました。
     坂を下りきる手前から今度は真新しい住宅街となっていますが、今のところこの区間にはバス停はなく、終点まで無停車となっていますが、現状の運行では利用者は限定されそうです。
     
     細い兵衛川を渡り、JR横浜線をくぐると宇津貫公園入口交差点で、これを右折。この先は片側二車線の大通りで、沿線には数々の商業施設も建ち並んでいますが、バスはそれとは無関係に進み、八王子みなみ野駅入口交差点を右折すれば終点「八王子みなみ野駅」に到着となります。所要時間は10分、運賃は170円で、ここまで3名の乗車がありました。結局、大学生の利用などは一切なく、実際には営業所からの出入庫が目的で、前述の「八99」系統と同様に回送経路の一部を営業便化したものなのでした。乗車した便も到着後は「八69・八王子駅南口」行きとなってこれから夜に向かっての運用に入っていきました。従って、ダイヤ的にはこの駅から大学方向への便がすぐにあったとしても、それは「み03」系統のまま折り返すものではなく、他系統からの入れ替わりの入庫便のため、運用される車両もそのつど入れ替わっています。
     個人的には直接学生輸送にも関係しないなら回送区間を含めて営業化とすれば良さそうに考えてしまうのですが、御殿峠付近の国道16号線には神奈中のバス路線が古くから運行されており、そういった周辺事業者との折り合いですべてを営業化することが難しかったのかもしれません。


    運行形態:A+B、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★☆☆ 

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