2011.09.17 Saturday

路線バス乗りつぶし 東急バス編 その3

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    ●東急バス (出入庫) 青葉台営業所→あかね台


     横浜市青葉区にある東急バス「青葉台営業所」から、東急グループが開発した新興住宅地「あかね台」とを結ぶ出入庫系統が、早朝6時台に片道1便だけ運行されています。このうち「青葉台営業所〜中恩田橋」間は、同社で無料配布している「東急バス全線路線図」では灰色の点線で表示されていて、これはいわゆる出入庫線のように運行回数のごく限られた不規則な区間に用いられている表記で、東急バスのWeb時刻検索では検索可能ですが、市販されている「神奈川県内乗合バス・ルートあんない」ではこの出入庫線は図示されていません。

     一日1便しかない「あかね台」行きは、曜日にかかわらず毎朝6時09分に出発していますが、このような極めて早い時間帯の運行なので都内から乗るためには、前夜に深夜急行バスに乗って、マンガ喫茶などで時間をつぶすか、マイカーでやって来て、どこかの駐車場にクルマを預けておく、といった程度の手段しか思いつかなかったのですが、青葉台営業所の徒歩圏内にJR横浜線「十日市場駅」があったことに気づき、そこまでの経路を探索したところ、どうやら品川まで出られればその日のうちに到達できることが分かり、当日はその方法で現地に辿りつきました。

     十日市場駅から歩いて10分ほど、東名高速道路をくぐり、県道・川崎町田線と環状4号線が交わる下台交差点の一角に目指す「青葉台営業所」があります。ここから「あかね台」に向かうバスの乗り場は、青葉台駅方向の乗り場とは違い、営業所構内の出口付近に一本のダルマポールが置かれています。そこにぶら下がった時刻表には「6時09分」の1便だけが書かれています。

     そんな早朝1便だけの「あかね台」行きですが、利用者はまたもや私だけ・・・・・と思っていたら、発車時刻までに他にも2名の利用者があり、総勢3名での発車となりました。乗車したのは大型の三菱エアロスター・ワンステップ車でした。
     
     発車すると、前を通っている県道・川崎町田線を町田方面に向かいますが、ここから「中恩田橋」までの間が、東急バスでは早速の免許維持区間となります。1997年2月までは「奈良町線(青葉台駅〜中恩田橋〜こどもの国間)」という路線が通っていたのですが、同線の廃止後東急バスではこの1便だけが通るマイナー区間になってしまいました。

     それ以外に同じ道を並行するバス路線としては、神奈川中央交通の「町70/71/73・町田バスセンター〜十日市場駅・中山駅北口・青葉台駅」線(町71系統は当ブログ神奈中バス編その2参照)と、横浜市営バス「23・中山駅前〜十日市場駅前〜奈良北団地折返場」線があり、それらの系統ならそれなりに運行頻度はあるのですが、それらが走り始める時間帯よりも前にこの区間を走っているのが、今回乗車した「あかね台出庫便」なのです。このように始発便としての役割を担っているため、このあと途中の「前川神社前」バス停からも2名の乗車があり、他社便を含め、その日最初に通る路線バスは途中からの利用者も決してゼロではありませんでした。

     「下恩田」では国道246号線の下をくぐり、以前はその側道から「中恩田橋」まで東急バス「柿05・柿生駅〜長津田駅」線が並行していましたが、2010年3月31日限りで同系統が廃止されたため、東急バスでの免許維持区間(路線図の点線区間)がさらに伸びることになりました。

     東急田園都市線と接続する「田奈駅」で3名が下車。「柿05」系統の廃止後は、東急バスと田園都市線が接続する最西端の駅になりました。東京方面に出かけるなら買い物などの用を含めて青葉台駅を目指すのが主流になりそうですが、一部には長津田や中央林間方向に向かう流れもあり、そのような場合は田奈駅に向かう方がルート的に便利な場合もあるようです。
     
     バスはさらに県道をまっすぐ進み、車窓には田園風景が広がります。ほどなくすると「中恩田橋」となり、この交差点で左折しますが、県道・川崎町田線としては曲がる方向が道なりです。ここで青葉台駅から本線系統となる「青55・青葉台駅〜あかね台」線が合流し、あとはそれと同じ経路を進みます。また、2011年8月31日までは小田急バスの免許維持路線として知られた「柿20・柿生駅南口〜町田バスセンター」線も並走していましたが、それもとうとう廃止になってしまい、この道を行くバス事業者がひとつ減ってしまいました。
     交差点を曲がるとすぐに踏切を渡りますが、これは横浜高速鉄道こどもの国線で、ちょうど電車が通過するタイミングに当たりました。

     線路を越えて最初のバス停が「杉山神社前」で、運賃はここを境に「横浜市内均一運賃区間」と「武相運賃区間」とに分かれているのですが、東急バスで武相運賃(対キロ制)が適用される区間は、現在のところここだけです。このため、杉山神社前〜あかね台間相互発着の場合、運賃は170円となるのですが、路線としては全区間青葉区内に収まっているため、市域や区域を跨るわけでもないのに2つの運賃制度がある点に疑問を感じますが、従来この地域が神奈中バスの営業エリアだったからでしょうか。

     そして、あかね台入口交差点で右折し、あかね台の住宅地へ入ります。「熊の谷公園」バス停で1名下車してしまうと、残りは私だけになりました。田奈駅を越えての利用もあるとは意外でしたが、やはりどんなマイナー系統であっても、輸送実態は実際に乗ってみないと分からないことがたくさんあるということです。

     あかね台は東急不動産によって開発された一戸建て住宅が建ち並ぶ新興住宅地で、「青55」系統は神奈川中央交通との共同で1992年5月に運行を開始した路線です。しかし、通勤線化されたこどもの国線に新たに「恩田駅」が開設され、あかね台住宅地は同駅からの徒歩圏内になってしまったため、路線バスの存在意義は少々薄れてしまったようです。
     そして、所要14分で終点の「あかね台」に到着となります。ここまでの運賃は210円(前払い方式)でした。
     到着後は折り返しの「青葉台駅」行きには乗らずに、バス停から5分ほどのところにある恩田駅まで歩き、電車を利用して次の目的地、あざみ野駅へ向かいました。


    運行形態:A+B、路線図掲載:△、乗車難易度:★★★☆


    ●東急バス あ27・急行 あざみ野駅→すすき野団地


     こどもの国線と田園都市線を乗り継いで、今度は「あざみ野駅」にやってきました。
     次に乗車したのは、ここから「すすき野団地」とを結んでいる「あ27」系統のうち、平日・土曜の朝のみ運行される急行便です。本来なら客の流れは駅へ向かうはずの朝の通勤時間帯に、駅から背を向けて団地方向への速達便設定には違和感を覚えますが、それは一体なぜでしょうか?それを探るために訪れてみました。
     
     乗車したのは、あざみ野駅7時00分発の便で、急行便としては8便中の2便目になります。
     当駅から「すすき野団地」へは平日の7時台だけでも20便ほどが運行される典型的な団地路線で、このうち6時50分から8時00分までの10分ごとに急行便が設定されているのです。先述の通り、急行があるのは「すすき野団地」行きだけで、反対の「あざみ野駅」方向への運行は行われていません。やってきたのは大型のいすゞキュービックLV・ツーステップ車で、東急バスでも最古参格の車両です。
     
     乗り場には2つの行列ができていて、1本あとの便まで列ができているものと思っていたら、よくよく見れば一般客の列と学生の列とに分かれていて、バスが乗車扱いを始めると、まず一般客から乗り始め、それが終わると学生が乗り込むという順序で、あくまでも一般客の乗車を優先させるという、ローカルルールが出来ているのでした。この便には40名ほどが乗り込んだようです。

     発車すると、駅前ロータリーを出て、そのまま直進。ルートとしてはこのままひたすら道なりで、沿線は田園都市線とともに発展してきた住宅街です。風景はいかにも『東急沿線』というイメージ通りのもので、テレビドラマのワンシーンによく描写される緩やかな坂道と、緑を散りばめた整った街並みは、逆をかえせばどこも似たような景色と言っては失礼に当たるかもしれませんが、人工的に造られた街並みというのは、どこか特徴が掴みにくいものです。

     5つのバス停を通過して、急行便が最初に停車するバス停が「もみの木台」で、ここで車内に2名を残してほとんどが下車。降りた人々は先の曲がり角に消えていき、地図で見るとその先には桐蔭学園があり、乗っていた学生はここの生徒さんたちでした。実はこの急行便はこの学校への通学対策として運行しているもので、停車するバス停を絞り込むことで所要時間を短縮し、運行効率を向上させることが目的と思われます。対向車線にはこれから都心などへ向かう通勤客を乗せたバスがひっきりなしに行き交い、このバスもその戦列に加わるため、急いで折り返し場所の「すすき野団地」へ向かうのです。
     
     ガラガラになった車内ですが、次に停車するのが「虹が丘団地」で、路線はいったん横浜市青葉区から川崎市麻生区に入ります。沿線にはひたすら集合住宅が続いているように見えますが、途中で行政区域を跨ぐために、団地の名称は川崎市側が「虹が丘」、横浜市側が「すすき野」に分かれています。
     「虹が丘団地」では乗降はなく通過となり、このあとも道なりに進んでいくと再び横浜市青葉区すすき野に戻り、間もなく終点の「すすき野団地」に到着となります。ここまでの所要時間は13分、運賃は一部で川崎市内均一運賃が適用される区間もありますが、全線を乗り通した場合は横浜市内均一運賃が適用され210円(前払い方式)となります。
     えてして片方向の輸送になりがちな団地路線ですが、この地域では大規模な学校などがあったことで双方向に旺盛な利用が見られることが特徴的なバス路線でした。


    運行形態:E、路線図掲載:△、乗車難易度:★★☆☆


    ●東急バス 系統番号なし 蓬谷戸→元石川小学校入口


     続いては、「すすき野団地」から2つ隣りの「蓬谷戸」というバス停から「元石川小学校入口」というところまでを結ぶ系統で、これは「東急バス全線路線図」や車内掲示の運行系統図、市販のバス路線図、すべてに載っていない『幻の運行系統』です。いろいろとバスの時刻を検索していたとき、たまたま見つけたのがこの系統で、各種印刷物には載っていないものの、東急バスのWeb時刻検索や経路探索サイト「ナビタイム」でも調べることができます。行き先が示す通り、明らかに元石川小学校への通学目的の運行で、果たして一般客が混乗して良いものなのかを確認したところ、「特に問題なし」というお話をいただき、早速乗ってみることにしました。

     「蓬谷戸」という停留所名を見る限り、丘陵地帯のような場所を連想していたのですが、今では宅地開発が進んで、バス停周辺はまさしく閑静な高級住宅街でした。このあたりの現在の地名は「美しが丘」といい、区画整理によって生まれたものですが、古くは一帯を「元石川」と称していました。今では多くの人々が暮らす街になりましたが、急速に進んだ住宅開発の一方で、教育施設の整備が追い付かず、これによって元石川小学校はかなり広い学区域を持つことになってしまいました。あるブログによれば、これが地域の問題にもなっているようで、場所によっては学校まで2キロ以上の距離を通学することになり、起伏のある地形とともに、通学時の安全性を考慮して、多くの児童がバスによる通学に頼っているとのことでした。これに対応して東急バスでは2001年1月より朝の登校時の通学対策便として「虹が丘営業所→元石川小学校入口」間の運行を開始し、2003年に実情に即して起点を「蓬谷戸」に改めたものが、今回乗車した「蓬谷戸→元石川小学校入口」線のようです。すでに10年以上の運行実績があるわけですが、ここにきて美しが丘西地区で小学校新設の動きがあり、近い将来、この運行も解消するかもしれません。

     「蓬谷戸」のバス停は一般のバス路線と共通で、単なる住宅地の中にある路上バス停です。バス停に掲示された時刻表には「7時41分」発の便に「学」印が付いており、これが1便だけ設定されている「元石川小学校入口」行きです。この時間より前から通勤客に交じり、小学生が「たまプラーザ駅」行きのバスに乗り込んで行きましたが、一般系統に乗り込んでいくのは高学年の児童たちで、スクール便に乗っているのは、まだ通学に不安が残る低学年の児童がほとんどのように見えました。
     発車時刻の1分前に大型のいすゞエルガ・ワンステップ車がやってきて、予定通り「元石川小学校入口」と表示されたバスに乗ることができました。ここから乗ったのは私と小学生7名だけでした。
     
     発車すると、すぐ目の前の交差点を左折して、「美しが丘西」へ向かいます。経路としては並行系統のつなぎ合わせで、当系統独自の区間はなく、途中乗降も制限はされていないようです。
     「谷戸」という名が示すように、もともとは丘陵地帯であるため、地形は起伏に富んでおり、道路もアップダウンが連続します。また車内の音声合成による注意喚起の放送が小学生向けにやや優しい表現になっている点も特徴的でした。

     初めは空いていた車内も、各バス停で次々と大量に乗車があり、多くの児童に囲まれ思わず肩身が狭くなってしまいましたが、付き添いの保護者の方や、パトロールのためのPTAの方なども乗り込んでおり、大人の利用もわずかにあります。あとはちびっ子パワーにどれだけ耐えられるか・・・・です。
     「美しが丘西」バス停は、たまプラーザ駅からの「た71」系統と、あざみ野駅からの「あ25」系統が使用している折返場で客扱いと方向転換をするのですが、このスペースにはバスが一台しか入れないため、すでに停車していた一般系統の発車を待って場内に入ります。

     既にここまでの間でかなりの乗車率となっていて、この勢いでは積み残しが出るほどでしたが、実はここでもう1台が回送でやってきて、当便の直後を続行することになっているので、その心配はありません。
     そして、5分ほど時間調整の後、再び同じ道を少し戻り「早渕台公園」バス停の先で左折。

     曲がってすぐの「美しが丘西二丁目」バス停にもドッサリ児童が待っていて、もうほとんど車内には隙間がなくなっていましたが、それでもなんとか20名ほどを乗せて、あとは後続便に任せていきます。
     信号のない突き当たりを左折して、続いて美しが丘一丁目交差点を右折。あとは県道横浜生田線をまっすぐ進めば「覚永寺」バス停と「平川」バス停の間に、ひっそりとダルマポールが立っていて、そこが終点の「元石川小学校入口」となります。このバス停はこのスクール便専用の降車停留所で、路線図などには記載のない「幻のバス停」となっており、同校はここから坂道を上ったところにあります。ここまでの所要時間は19分、運賃は一般系統と同じ横浜市内均一運賃の210円(前払い方式)でした。先述の通り、このスクール便は登校時のみの片道運行で、帰りの手段は並行する一般系統などを利用しているようです。
     

    ※「元石川小学校スクール便」は、その後の小学校新設に伴い、2013年3月25日限りで系統廃止になりました。

    運行形態:E、路線図掲載:×、乗車難易度:★★★☆(現在は廃止)

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