2010.07.08 Thursday

路線バス乗りつぶし 富士急行編 その1

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    ●富士急湘南バス 松78 新松田駅→和田河原駅

     
     小田急小田原線とJR御殿場線の接続駅である「新松田駅」から、伊豆箱根鉄道大雄山線の「和田河原駅」とを結ぶ路線には「宮台」を経由する「松78」系統と、「開成駅」を経由する「松79」系統があり、いずれも富士急湘南バスにより運行されていますが、現在の運行回数は「松78」系統が平日1.5往復(和田河原方向2便・新松田方向1便)、「松79」系統は平日0.5往復(新松田方向1便のみ)という運行回数極少路線となっており、今回乗車したのはとりあえず前者の方です。この「松78」系統は2009年11月30日までは平日にはさらにもう1往復と、土曜日にも和田河原方向に片道1便だけ運行していましたが、いずれも減便され現在の運行回数となってしまいました。
     
     乗車したのは新松田駅7時30分発の便で、乗り場は2番線から。ちょうど朝の通勤時間帯であり、駅前にはそれぞれの行き先に向かう路線バスも頻繁に発車していますが、そのなかでも「和田河原駅」行きと表示されるバスは、この朝の1便と夕方17時台の1便しかないレアなものです。お隣1番線から出ていった「第一生命」方面のバスは多数の乗客を運んでいきましたが、こちらの便には私を含め2名だけ。やはり運行回数と利用者の数はどうしても比例してしまうことが多いようです。車両は中型の日野レインボーRJ・ツーステップ車、もう都市部ではすっかり見なくなってしまった旧年式車でした。

     とりあえず定刻通り発車となります。全区間の所要時間は15分ということになっているのですが、すでに発車時点で駅前がマイカーなどで混雑しているうえ、この路線ではすぐ駅の北側にある小田急線の踏切も越えなければならないため、この段階ですでに5分ほど要してしまい、あと残り10分・・・・・・、ちょっと厳しい気がします。そして、なんとか線路は越えて、川音川を渡ると富士急湘南バスの本社と営業所がある「松田土木前」バス停に停車し、ここで1名乗車。続いて次の「町屋公民館前」バス停でも2名乗車がありました。

     松田町から大井町に入り、松田入口交差点で県道・御殿場大井線へ右折しますが、ここで下曽我・国府津方面の路線が分かれ、この先はしばらく「松78/79」系統の単独区間になります。いったんは道路は流れたものの、この県道で再び渋滞に遭遇。日中はスムーズに流れる道も、通勤時間帯になってしまうと都内よりも混雑の度合いが激しい気がしますが、現在のようなマイカー依存型の市街構造では致し方ないところでしょう。「足柄大橋」バス停でさらに1名の乗車があり、この日はここで最大乗車人員(6名)となりました。
     欄干に「足柄山の金太郎」のモニュメントが飾られている足柄大橋で酒匂川を渡りますが、もうこの段階で和田河原の到着時刻となってしまいました。この橋を渡ると今度は大井町から開成町に入ります。

     吉田島交差点で「松78」と「松79」の経路とが分かれますが、こちらはさらに直進し、そこから1キロほど先の竹松交差点で左折となります。ここからは箱根登山バスの「新松田駅〜五反田〜関本」線が並走しますが、こちらも平日1.5往復だけの設定で、両社を合わせても日に数便というマイナー区間になっています。今度は南足柄市に入り、短時間のうちに次々と市町境を跨ぐのもこの路線の特徴と言えます。沿線は人家も少なくはないのですが、マイカーの普及率は高く、一方でこのようにバスの運行も限られてしまうため、利便性ではもはや太刀打ちできない状態にあるようです。

     そして車内放送では「富士機器東門前」と称していた「富士フィルムテクノプロダクツ東門」(停留所名は2社ともにこの名称で表示)で3名下車。続いて次の「富士ゼロックス前」バス停でも1名下車があり、いずれもバス沿線に住む通勤客の利用でした。ここで右折して、500mほど走ると大雄山線の踏切があり、それを越えると終点の「和田河原駅」に到着となります。結局ここまでの所要時間は28分、所定よりも13分の延着となりましたが、乗務員氏によればこれでも良い方で、雨などが降った日にはかなりの遅延が生じるとのことでした。ちなみに運賃は250円、ここまでの乗客は私を含め2名でした。
     猫の額のような広さしかない駅前広場には富士急と箱根登山が別々にバス乗り場を確保してありますが、現在この駅にやってくるバス路線は平日の朝夕が中心で、土曜休日に至っては箱根登山バスの「関本〜開成駅」線の1往復だけしかやってきません。仮に平日であっても利用者の数はごく限られており、二社ともども今までの縄張りを確保するために辛うじて残してあるというのが実態のようでした。

    ※「松78」系統は2012年1月4日から廃止(実際の運行は2011年内で終了)されました。

    運行形態:A+C、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★☆☆(現在は廃止)


    ●富士急湘南バス 栢93 和田河原駅→栢山駅

     
     続いて乗車したのは「和田河原駅」から小田急線の「栢山駅」とを結ぶ「栢93」系統です。これも運行回数は大変少なく、平日の1.5往復(栢山方向2便・和田河原方向1便)という設定で、いずれも朝方だけの運行です。乗車計画を立てた時点から何となく気付いていたのですが、和田河原駅7時55分発の便は、前述の「松78」系統からそのまま連続して運用されており、それが延着すれば「栢93」系統にも影響が生じ、この日も所定では10分取ってあった調整時分もあっさり食い込み、結局3分遅れの7時58分に発車となりました。乗客は私を含め2名でした。この便は栢山駅方向の2便目なのですが、1便目からわずか15分後の運行で、一日に2便しかないわりには妙に高頻度に走っている印象ですが、この理由はあとで分かりました。

     さて、バスは「松78」系統で走ってきた道を逆戻りし、2つめの「富士ゼロックス前」で分かれます。「松78」系統は左、開成駅経由の「松79」系統は直進、そしてこの「栢93」系統は右に曲がります。道路的には先ほど「松78」系統で走ってきた道の続きになりますが、バス路線としては終点まで「栢93」系統の単独経路となっており、今乗っているこの便が早くも当日の最終便となってしまいます。沿線途中の「下和田入口〜まま下入口」間にかけては南足柄東部工業団地があり、その最初のバス停である「下和田入口」で1名下車。恐らくはここへの通勤利用と思われますが、これ以後は終点まで乗客は私だけになってしまいました。

     そして中丸交差点で左折し県道・栢山停車場塚原線を走り、「上栢山橋〜特養ほなみ前」間で南足柄市から小田原市に入ります。この沿道では住宅地となっており、小学校へ向かう児童など多くの通行人も見かけますが、すでに栢山駅からだと自転車圏内になってしまい、バスの運行も平日の朝に限られるため、帰りのことを考えるとやはりバスの利用は難しいものがあるようです。

     所定の所要時間は全区間で10分という短いものなのですが、発車時点で3分遅れを引きずっているところ、さらに栢山駅手前の踏切で流れが悪くなり、結局ここでも遅れはさらに増え、この日の所要時間は16分、小田急線の線路を越えたところが終点「栢山駅」となります。運賃は220円でした。


    ※「栢93」系統は2012年1月4日より廃止(実際の運行は2011年内で終了)されました。

    運行形態:A+C、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★★☆(現在は廃止)


    ●富士急湘南バス 栢98 栢山駅→大井高校前

     
     この日はさらに乗り進みます。
     続いて乗車したのは「栢山駅」から大井町にある「大井高校前」とを結ぶ「栢98」系統です。これもマイナー度の高い路線で、平日の片道2便のみの運行です。行き先からしてもスクール便同然ですが、帰りの便が設定されていないのは、まとまった動きのある登校時間に比べ、帰りは部活動などでそれぞれに下校時間が分散してしまってバス輸送として成り立ちにくいからでしょう。最近は各所でこのような片道だけ運行の通学路線というものが増えているように思います。
     
     乗車したのは2便設定されているうちの2便目、定刻であれば栢山駅8時13分発ですが、これまた前述の「栢93」系統からの連続運用のため、前運用からの遅延を引きずり、到着時刻の時点で「栢98」系統の発車時刻をわずかに過ぎていました。しかし、さすがに通学便、これには多数の高校生がバスを待っており、すし詰めとまでは行かないものの、車内は見通せないような混雑となりました。高校までは歩いても20分ほどなので、相当数の生徒さんは歩かれているようですが、特に雨が降った場合などはこれ以上に利用されることでしょう。大井高校自体は共学校ですが、バスに乗ったのはほとんどが女子生徒で、さすがに一瞬乗車をためらいそうになりましたが、ごくわずかに男子生徒と通勤客が混じっていたのが幸いでした。ちなみに運賃はこの系統では利用者が固定されているため前払い方式にしており、乗車時に200円を支払いましたが、他の乗客も帰りの便がないので、基本的に現金か電子マネー利用になり、乗車扱いにも少し手間取って、結局、所定より5分遅れて8時18分に発車となりました。
     この便は2便目ですが、1便目は13分前の8時00分発で、前述の「栢93」系統の項で触れたように、「栢93」系統の栢山駅方向が15分間に2便連続して走っているのは、1便しかない「栢山駅→和田河原駅」の便を運行したあと、大井高校行きの運行時間に合わせてすぐにとんぼ返りさせているからなのですが、少ない運用数の中で出来る限り効率よく走れるよう組み合わされた結果なのではないかと思われます。ただ、この日乗ったすべての路線では詳細に乗降客数をカウントしていたようなので、それらが反映されればダイヤ改正などで今後変化があるかもしれません。

     さて、「栢山駅」を出ると早速「栢98」系統の単独経路となり、片側一車線の県道・栢山停車場曽我線を走行。報徳橋で酒匂川を渡り、対岸の鬼柳入口交差点で県道・小田原松田線へ左折。同時に今度は小田原市から大井町に入り、左手に大手電機メーカーの「NEC湘南テクニカルセンター」があって、その最寄バス停となっている「西大井下」で通勤客と一部高校生8名が下車。あとは車内は高校生だけになって、次が終点の「大井高校前」となります。ここまでの所要時間はわずか6分でした。2009年11月30日までは「松97・新松田駅〜栢山駅」線が平日の朝1往復だけ運行されていて、今乗ってきた「栢98」系統のあとに「新松田駅」行きの設定があったのですが、残念ながら廃止となってしまい、現在はこの「大井高校前」で路線網が途切れてしまいました。

     なお、「栢98」系統は通学主体の路線でしたが、時刻表の表示では運休日はあくまでも土曜・休日だけで、通学路線にありがちな「休校日運休」とはなっておらず、春・夏・冬の長期休校期間でも平日であれば運行されているようですが、これは先述のように一部に通勤客の利用があるためと、前後の運行系統のつなぎとして、部分的に運休にさせる必要もないのが理由と思われます。高校生との混乗を避けたい場合は、そのような「平日の休校日」を選んでご乗車ください。

    運行形態:E、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★★☆


    ●富士急湘南バス 湘85 湘光園→第一生命本社前

     
     4本目に乗車したのは、大井町内にある「湘光園」というバス停から、同町のランドマーク的存在となっている「第一生命本社前」とを結ぶ「湘85」系統という路線に乗車しました。
     「神奈川県内乗合バス・ルートあんない」によれば、「大井高校前」から「湘光園」までは裏道を使えば歩いても10分ほどで辿り着けそうなので、「栢98」系統乗車後、すぐにそちらへ向かうことにしました。地図を見ながらその裏道を進んでいくと確かに10分ほどで「湘光園」バス停に着き、すでに乗り場には一台の富士急バスが待機していました。でもよくよく見たら、またもや先ほどの「栢98」系統で乗ってきた日野RJで、「松78」→「栢93」→「栢98」→「湘85」という連続運用になっているものでした。あちこちでバスに乗っている身分としては、そのような運用であることは当初からそれなりに想像はついていたので、その結果は予想通りということでした。
     「湘光園」とは何やら福祉施設のような印象を受けるネーミングですが、これは第一生命の社員寮の名称で、社宅と会社を結ぶ純粋な通勤路線でした。現在の運行回数は朝の第一生命方向が2便、社宅方向が夕方4便で、いずれも平日のみの運行です。社宅方向の回数が多いのは通学便と同じ理由で、朝はまとまった時間帯に出勤しますが、退社はそれぞれが分散するためで、往復ともに利用者の絶対数はほぼ同じなのではないかと思います。
     
     乗り場は社宅の敷地内に専用スペースが設けられていますが、一般客の利用を拒むようなものではなく、あくまでも一般路線、誰でも乗車できます。バスは乗り場に頭を突っ込むような感じで停車していて、発車時刻になるとバックで出て行きます。社宅から会社への輸送なので、それなりの利用があると思いましたが、結局、発車時刻の8時40分になっても私以外の乗客はなく、そのまま発車となりました。
     利用者もほぼ限定された路線ですが、一応途中バス停も設定されており、次が「湘光中学校前」。ここは大井町内唯一の中学校とのことで、富士急バスではこの中学校へのスクール便(松76系統)も運行しています。また「新松田駅〜小田原駅」間を結ぶ「小11/12」系統もここを通っていて、バス停はそれらの系統と共用になっています。
     そして、湘光歩道橋脇の交差点で国道255号線へ左折。わずかながら「湘85」系統の単独区間になります。大井跨線橋でJR御殿場線を乗り越え、それを下りると県道・松田国府津線が合流。右手の山の上にはこれから目指す「第一生命大井本社」がそびえ建っているのが見えます。

     ここにも富士急バスの「新松田駅〜下曽我駅・国府津駅」線などが通っており、短い区間で並走。「浅間塔」バス停はそれらの系統との共用バス停です。それを過ぎるとすぐに第一生命入口交差点があり、これを右折するとまたこの系統の単独経路となって、「坊村」と「めがね道」の二停留所があり、「坊村」バス停でようやく2名の乗車がありました。ここを出ると道はつづら折りの急な登り坂となって、一気に山の上に上がっていきます。写真は撮り損ねましたが、この坂道の途中では、車窓右側から大井松田の街並みが眼下に広がる、なかなかの絶景ポイントもありました。
     
     坂をほぼ上りきると路線唯一のトンネルがあり、それを抜けたところで左折。ここに簡易ゲートがあって、この先から第一生命の私道になり、基本的には一般車の進入は規制されているようです。さらに坂を上って、突き当たりを右折。国府津方面からの路線が合流し、まだ出勤時間帯ということで、多数のバスが行き交っています。

     路線図上では次が終点の「第一生命本社前」ですが、手前に「南通用口」という降車場所があり、車内放送もあって、降車ボタンを押せばここでも降りられます。そして、東名高速から見えるあの巨大なビルの真下に終点の「第一生命本社前」バスターミナルがあり、所要14分で到着となりました。
     私はこのあと新松田駅へ戻るつもりで、もしかしたら次のバスも同じクルマの運用かと思っていましたが、さすがにそれはなかったようで、回送となってどこかへ向かっていきました。なお、運賃は230円で、第一生命関係路線はすべて前払い方式になっていました。

     「東名の大井松田インター」と言えば、必ずといって良いほど、連想してしまうこの「第一生命大井本社ビル」ですが、当然地元の大井町のシンボル的存在でもあります。この規模なので就業人口も相当なもので、富士急湘南バス全体の運賃収入の約1/3がこの第一生命輸送で占められているそうです。しかし、ここへきて大井本社の移転問題が取り沙汰されており、近い将来それが現実となった場合には、同社は大きな屋台骨を失ってしまうことになります。一説にはこの地底を活断層が通っていて、今後数十年内に巨大地震の発生する恐れが高い地域であると指摘されています。移転問題も特にそのことが引き金になったとも考えられますが、一方で地元への経済的ダメージも大きく、何か良い方策を検討して単なる「切り捨て」に終わらないことを祈りたいと思います。

    ※「湘85」系統は2012年1月4日の、第一生命本社機能の移転・再編により、2011年12月30日限りの運行で廃止されました。

    運行形態:E、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★★☆(現在は廃止)

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