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2010.11.27 Saturday

路線バス乗りつぶし 伊豆箱根バス編 その3

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    ●伊豆箱根バス 大雄山駅→道了尊


     伊豆箱根鉄道大雄山線の終点「大雄山駅」から、南足柄市にある曹洞宗の名刹、「大雄山最乗寺(道了尊)」の間を結んでいるバス路線が伊豆箱根バスの手により永年運行され、参拝者・観光客の輸送を目的として単純な二点間輸送を行なってきました。大雄山線の前身「大雄山鉄道」そのものが参拝者の輸送を目的に敷設された鉄道であり、それに付随したバス路線であったため、大雄山駅(関本)周辺で各方面への路線バスを運行しているのは、ほとんどが箱根登山バスですが、当線だけはそのような背景から伊豆箱根バスでの運行となっており、同社のバス路線網とは独立した、いわゆる「飛び地営業」になっているのも特徴です。
     そんな二点間を黙々と走り続けていたこのバス路線でしたが、近年は沿線にレクリエーション施設が造られるなどして、2008年2月1日には温泉療養施設「おんりーゆー」への立寄り便が設定されたほか、2010年5月1日には一部別ルートによる「足柄ふれあいの村」経由便が設定され、現在は3つの運行パターンがあります。

     今でも最も多く設定されている便が、「大雄山駅〜道了尊」間を単純往復するものですが、後に設定された「おんりーゆー前」立寄り便が道了尊方向7便と駅方向が5便、そして最も最近開設された「足柄ふれあいの村・おんりーゆー前」経由便が3.5往復となっており、今回はその新設系統に乗車してみることにしました。
     
     乗車したのは平日の大雄山駅12時15分発の便(乗車した後の時刻改正によって現在はこの時間帯の運行は変更)で、乗り場は駅のすぐ脇にあるバスターミナル1番乗り場からです。車両は中型のいすゞエルガミオ・ノンステップ車でした。ここからは私を含め6名の乗車でした。

     発車すると、最乗寺に向かう「てんぐのこみち」と呼ばれる県道・関本小涌谷線を、途中「仁王門」まで道なりに進みます。狩川を大雄橋で越え、「飯沢」バス停を過ぎるとかなり急な坂道をグングン上っていきます。道幅も狭く、反対から観光バスなどが向かってくるとすれ違いには緊張しますが、さすが毎日走っているドライバーさんは手馴れたものです。通常はこのように中型バスが入っていますが、以前は大型バスが普通に使われており、初詣などの多客時には今も大型バスが入っているはずです。

     急坂の途中にある「参道一丁目」バス停を過ぎ、「仁王門」バス停で1名下車。ここで「ふれあいの村」経由便は右に曲がり、山あいのルートへ大きく迂回します。この間に経由地の2ヵ所以外途中バス停はありませんが、最乗寺に行くのが目的で、途中乗降が無ければただの大回りでしかないので、所要時間もそれほど延ばしておらず、ちょっとハイペースに走っていきます。いっそのことデマンド方式にして、呼び出しや降車の申し出がなければ、通常ルートのままでも良いのではないかと思ってしまいます。
     
     そして右手に数台の観光バスが停まっていたところが「足柄ふれあいの村」なのですが、あいにく乗降はなく、そのまま通過。その先に「おんりーゆー前」がありますが、ここでも乗降はありませんでした。さらに森の中を進んでいき、突き当たったところがもともとのバス路線で、これを右折していつものルート(てんぐのこみち)に戻ります。ちなみに「おんりーゆー前」だけを経由する便の場合は、この大回りルートは通らず、ただ単純に同じ道を往復するだけです。

     樹齢推定500年という巨大な杉並木の下を走り、ちょうど乗った時期があじさいシーズンだったので、沿道に植えられた花々を見て乗り合わせた奥様方からも歓声が上がっていました。そして視界がひらけ、みやげ物店が並んだところが終点の「道了尊」です。ここも急な坂の途中にあり、バスを降りるときには、つい足元がふらついてしまいます。ここまでの所要時間は11分、運賃は260円(後払い)でした。

     バスがやってくると、あちこちの土産物店からは客寄せの声がかかりますが、大雄山駅行きのバス乗り場のすぐ脇には伊豆箱根鉄道直営の土産店もあり、ここで買った土産物袋にも同社の7000系電車が描かれています。

     乗車してからだいぶ月日が流れ、この記事を書く頃には紅葉シーズンになりますが、ここ大雄山最乗寺は関東でも有数の紅葉スポットです。実は昨年も紅葉見物のためここへ訪れているのですが、この格式ある寺と紅葉の組み合わせは絶妙で、ぜひここまで来たらすぐにバスで折り返さず、境内を散策してのんびり過ごしてみるのも路線バスの楽しみ方のひとつではないかと思います。

    運行形態:C、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★☆☆


    ●伊豆箱根バス 湯河原駅→真鶴駅


     JR東海道線の「湯河原駅」からお隣の「真鶴駅」との間は、箱根登山バスの運行により複数の運行系統が設定されていますが、一日1往復だけ伊豆箱根バスによる運行があり、今回はそれに乗ってみることにしました。

     一日1往復の伊豆箱根バスは、曜日にかかわらず毎日走っているのですが、出入庫を兼ねた運行であるため、その運用は真鶴方向が早朝、湯河原方向には夜という、この区間において伊豆箱根バスに乗車するのは極めて困難なことです。特に平日ダイヤでは湯河原駅の発車時刻は6時10分と、この季節ではまだ夜も明けぬ時間帯、そのうえ東京からだとその日のうちには現地に到達することさえ不可能です。しかし、これが土休日ダイヤの場合なら一時間以上遅い7時30分発となるため、これならば東京5時20分発の静岡行き電車に乗ればなんとか到達できます。今回乗車したのも、とある日曜日でした。

     「真鶴駅」行きの乗り場は駅前広場の「5番乗り場」から。同じ乗り場からは競合する箱根登山バスの「真鶴駅」行きと、平日1往復だけの「小田原駅」行き、そして伊豆東海バスによる「熱海駅」行きが共用していますが、伊豆箱根バスが使用するのは朝1便の「真鶴駅」行きのときだけです。休日ダイヤでは伊豆箱根便が発車した5分後にも箱根登山バスの「福浦新道経由・真鶴駅」行きがあるのですが、この日はなぜかその便が先に乗り場に据え付けられてしまい、本来先に出発するはずの伊豆箱根バスはその後ろでの乗車扱いとなりました。車両は中型の日産ディーゼルRM・富士8Eボディのツーステップ車で、観光地を走るため、2人掛け座席が並んだ前扉車でした。
     
     このバスを見れば次の運用も分かるのですが、真鶴駅到着後は、当ブログ「伊豆箱根バス編その2」でご紹介した「真鶴駅〜岩」線への送り込みを兼ねています。平日と土休日とで運行される時間帯が異なるのも、次の運用が関係しているからです。同社はこのほかにも「真鶴駅〜ケープ真鶴」線も運行していますが、同線は箱根登山バスとの共同運行で、ダイヤが月ごとに担当便が代わるローテーション方式となっているため、その送り込みについてはすべて回送としているようです。ちなみに、この「湯河原駅〜真鶴駅」線は、最近まで日中にも真鶴方向へ1便だけ営業便が設定されていたのですが、同社の湯河原営業所が熱海営業所に統合された際に、運用見直しによって廃止となり、それ以降乗車することが極めて困難な路線になりました。また、この区間は同社のフリー乗車券「箱根バスフリー」などでもフリー区間に含まれているのですが、実際にはその券で乗ってくることなど極めて稀なことではないかと思います。

     7時30分、定刻通り一日1回だけの伊豆箱根バスが発車します。とりあえずここからの客は私だけでした。
     まず駅前を左に出て行きますが、もうこの時点で同社のバス路線では単独経路、すなわち免許維持区間となります。経路は全区間にわたって箱根登山バスの「長窪(旧道)経由・真鶴駅」線と同じであり、運行回数も圧倒的にそちらの方が多いのですが、伊豆箱根バスでは真鶴駅発着路線との路線網維持のため、辛うじて1往復の便でつないでいるのです。ポールも二社共用で、箱根登山便の時刻掲示の裏などに伊豆箱根便の時刻表が小さく貼られていますが、「湯河原駅〜奥湯河原」線や「真鶴駅〜ケープ真鶴」線とは異なり、共同運行というわけではないので、共通乗車制度やダイヤの調整なども特に行なわれていないようです。

     そして「門川」バス停で1名乗車。海沿いの国道135号線とぶつかる湯河原駅入口交差点で左折。車窓右手は相模湾(湯河原海水浴場)で、乗車した時期はさすがに海水浴客こそありませんでしたが、たくさんのサーファーが早朝からの波乗りを楽しんでいました。また最近は国道沿いに大型店舗も建ち並び、砂浜をバックにした家電量販店やパチンコ店というミスマッチぶりもこのあたりの特徴でしょうか。

     吉浜橋交差点では道が2つに並んで分岐しており、右のルートは有料道路となっている「真鶴道路(旧・真鶴新道)」、左が「国道135号線(旧・真鶴道路)」で、バスは左のルートに進みます。

     私が幼い頃は伊豆へのドライブルートとして定番だった道で、今のように複数の道路がなかった時代は「湯河原」と言えば渋滞の名所でした。この日も日曜日でしたが、まだ朝早かったこともあり、交通量も少なく、大変スムーズな運行でした。
     
     「海の家」という、そのままズバリのようなバス停を過ぎ、少し坂を上ったところが「舟付」バス停で、ここでバス路線でいうところの「新道」と「旧道」とに分かれます。「旧道」というのは現在の県道・小田原湯河原線で、「真鶴道路」が有料道路だった頃は、この県道が国道135号線でした。後に無料化された際にそれぞれが段落し的に「格下げ」となったのですが、バス路線としては現国道が「新道」経由、現県道が「旧道」経由と称しています。
     一日1回の伊豆箱根バスはこれを「旧道」の方へ進路を取ります。この時間帯では箱根登山便は「新道」経由で運行しているので、「旧道」経由便は今乗っている伊豆箱根便が実質このルートでの「始発便」となっており、ここで地元客がもう1名乗ってきました。

     古くから往来のある元国道なので、沿線には人家も多く、真鶴〜湯河原間のバス路線は、生活路線としても旧道経由便の方が新道経由便よりも圧倒的に運行回数が多いのですが、一部にはちょっと狭い道幅の箇所もあったりして、新道経由よりもルート的に見どころがあります。あとからできた2つの新道により、今は現国道の渋滞時でもない限り地元民以外は滅多に通ることのない旧道ですが、これがかつては熱海や伊豆へのメインルートだったことを考えると、昔のドライブではさぞかし伊豆への道のりが遠く感じられたことでしょう。

     「長窪」バス停を過ぎると東海道線の線路をくぐりますが、すぐに新福浦立体でもう一度線路をくぐるため、線路の西側を通るのはあっという間。そして、再び国道135号線に戻り、「福浦入口」バス停で1名下車し、そのまま進めば間もなく終点の「真鶴駅」に到着となります。ここまでの所要時間は11分、運賃は230円で、私を含め2名がここまでの乗車でした。
     到着後は行先表示を「岩」行きに変えて、数分ほどの発車待ちの後、駅をあとにしていきました。
     

    ※2016年10月1日より「湯河原駅〜真鶴駅」線は、「真鶴駅〜岩」線の廃止に伴って、毎日運行から隔月運行(真鶴駅〜ケープ真鶴線の担当スケジュールに連動)になりました。


    運行形態:A+B、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★★☆ 

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