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2009.03.22 Sunday

路線バス乗りつぶし 大島バス編 その1

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     「マイナーな路線バスの旅日記」では、今回初めて東京都島嶼部のバス路線に進出し、伊豆大島のバス輸送を一手に担う、大島旅客自動車(通称:大島バス)のバス路線を訪ねてみることにしました。

    ↓今回は往復とも調布から新中央航空を利用
     機種は国内ではここでしか使われていないドルニエ機


    ●大島旅客自動車 元町港→波浮見晴台

     
     
     伊豆大島の表玄関となっている「元町港」から、小説や演歌の舞台となった「波浮港(はぶみなと)」を経て、「セミナー入口」という所までを結んでいる路線が「波浮港ライン」です。運行回数は1月〜4月上旬までのダイヤでは一日8往復となっていますが、伊豆七島の各港では、海況により船舶の寄港地が変わるため、その船舶との接続の関係で、一部の便において岡田港から(まで)の延長運転と、それに伴ってダイヤが変動するものになっており、当日利用した元町港10時50分発の便も、その日の寄港地が岡田港となっていたため、元町港の発車時刻が20分遅くなるものでした。
     
     やってきたバスは大型観光タイプの三菱エアロバス・スタンダードデッカーで、東京都の乗合バス事業者では、このような観光タイプの車両が一般路線に充当されるのは、今ではここだけかもしれません。
     寄港地が「元町港」の場合なら、ここが始発のバス停となりますが、この日は「岡田港」が始発地となり、岡田港での船舶との接続のため、もしかして車内には大勢の客が・・・・・と思っていたら、乗っていたのはわずか4名ほどで、うち3名がここで下車。入れ替わりに元町港から乗車したのは私を含め6名でした。大島ではまだ「椿まつり」の期間中ではありましたが、今冬は温暖だったため、ほとんどがすでに咲き終わってしまったらしく、観光客とおぼしき人も大変少ない様子でした。

     発車すると、バスは大島一周道路に出れば、あとは終点までほぼ一本道です。
     元町は大島町の中心地であり、大島町役場や金融機関などもこの周辺に集まっています。このため地元客はそれらで用を済ませると、「元町北口」や「元町農協前」などのいわば「島の市街地」にあたるバス停から、住んでいるそれぞれの地区に向かっての利用があります。

     市街地を離れ、「火山博物館前」バス停で2名が下車。このおふたりは観光で訪れた老夫婦で、私と同じ飛行機を利用されていました。大島空港でバスを待っている間、このご夫婦と私が少しお話をしていたのですが、奥様は「東京都シルバーパス」をお持ちだったのに、まさか伊豆大島でもそれが通用するとは知らず、ご自宅に置いてきてしまったそうで、ご夫婦ともに現金を支払ってバスを降りて行かれました。それだけ「ここも東京」であるという印象が薄いのかもしれませんが、道幅は狭くても、舗装がきれいに整備されていたり、島の要所要所に「イチョウのマーク」が付いているのを見ると、ここもやはり東京の一部なのだな、ということを再認識しました。ちなみに島嶼部における自動車の登録ナンバーはすべて「品川」となっていますが、Nox法などは対象外になっているため、23区内のバス事業者では見かけなくなった古参車がまだまだ現役で活躍しているわけです。

     先ほどのおふたりが降りられると、観光客らしき人は車内からはいなくなり、ほとんど地元の高齢者ばかりになっていました。まだ春休みでもない筈ですが、この日島内を巡っていて、一度も子供の姿を目にしなかったのが、少々気になりました。

     この先、波浮に向かう途中区間では、所々大型車のすれ違いが困難な狭い箇所があり、バスは無線を使って自車の現在地を発信し、応答がなければ対向するバスは無し、ということでそのまま狭隘区間に進入します。路線バスならお互いすれ違う場所がそれなりに決まっていたりするものですが、場合によっては貸切バスがやってくることもあるからです。

     「野増」バス停で2名が降り、入れ替わりに2名が乗車。その先に観光スポットである「地層切断面」があり、その名の通りのバス停もありますが、観光客などの乗降もなく、そのまま通過。しかし、私が車窓にカメラを向けていると、一旦停止して、撮影タイムを取っていただきました。

     バスはさらに進んで、間伏地区や差木地(さしきじ)地区などの各バス停でそれぞれ地元客が少しずつ減っていきます。
     「下地(クダッチ:地元での標記もカタカナを使用)」でいったん進路は右に折れ、「波浮港」に立ち寄り、港に向かって坂道を下って行くと、車窓からはのどかな港の風景と大小の漁船が停泊しているのを見ることができます。

    ↓「波浮港」バス停と転向場。
     その先の路地が「踊子の里」入口

     小説「伊豆の踊子」の舞台にもなった「踊子の里」の入口にある「波浮港」バス停で方向転換し、再び同じ道で「下地」から大島一周道路へと戻ります。
     そして、元町港から41分で「波浮見晴台」バス停に到着。バスはさらにこの先「セミナー入口」まで向かいますが、私はこのあとの予定と、この景勝地での撮影のためここで下車することにいたします。運賃は640円でした。


    運行形態:C、路線図掲載:○、乗車難易度:★☆☆☆


    ●大島旅客自動車 波浮見晴台→大島公園

     
     次に乗車したのは、「波浮見晴台」から大島東岸の「大島大砂漠」を経由して、椿まつりの会場として有名な「大島公園」とを結ぶ「大島公園・波浮港ライン(別名:大砂漠ライン)」です。2009年は1月1日〜4月5日までの毎日、片道1便だけ運行されるもので、島内随一のマイナー路線でもあります。他の路線は通年に渡り運行され、便数もそれなりに確保されていますが、この路線に限っては運行期間と便数がごく限られているため、今回乗車する機会を失うと、次回はまた来年ということになってしまいます。また、このルートに乗らないと大島島内一周も完遂しません。今回、伊豆大島訪問の一番の目的がこの路線を乗りつぶすことでした。
    (注:2009年については引続き夏季期間にも運行されているようです)
     
     「波浮見晴台」は文字通り、波浮港を見下ろす山の上にあり、バス停のすぐそばに展望台と土産物店があります。また、都はるみが歌った「アンコ椿は恋の花」の歌碑も建てられており、これをバックに記念撮影する観光客が多く見られました。
     
     やってきたバスは、先ほどの「波浮港ライン」で乗ってきたバスがそのままこの運用に入るもので、「セミナー入口」から回送でここまで戻ってきました。土産物店の隣に折返スペースがあり、そこにバックで進入します。
     島内観光には観光バスやタクシー、レンタカーで巡る人が多いようで、「大島公園」行きのバスには私を含め乗車したのはわずか4名でした。

     11時45分、定刻通りに発車します。
     本来の経路では、全区間大島一周道路を通行し、「セミナー入口」までは「波浮港ライン」と共通、そこから先が単独ルートとなって「筆島」という所を経由するのですが、現在は落石により一部ルートが長期通行止になっているため、「波浮見晴台」を出ると、その先をすぐに左折して迂回路に入り、林の中をウネウネと10分ほど走ったところから通常のルートに戻ります。

     その迂回経路も途中までは人家もあったのですが、しばらく進んでいくと人家は一軒もなくなり、観光案内で流れた車内放送でも、大島東側一帯は急峻な地形のため、長い歴史のなかでも、人が住んでいたことがまったく無いのだそうです。現在は大島一周道路の開通により、人の移動は可能になったものの、沿線には木々がただ生い茂っているだけで、開発の手もまったく入っていません。生活している人がいないので、西側の路線のように日常的にバスを走らせる必要がなく、椿の咲く観光シーズンにだけ細々と走らせているに過ぎません。
     迂回経路では途中バス停は設置されていないため、この路線での途中バス停は「大島大砂漠」一ヶ所だけです。砂漠といっても鳥取砂丘のような白い砂漠ではなく、溶岩や火山灰が積もったような黒い砂漠です。三原山を背にポツンとポールが立っていましたが、バスはこの片道1便のみ、ここで下車すればあとは歩く以外にないので、ハイキング目的でないと利用されることはほとんどないでしょう。

    ↓「大島大砂漠」のバス停
     
     ルート前半は急なワインディングロードでしたが、大砂漠を過ぎると後半は幾分なだらかになり、快適なドライブルートという感じですが、大島には本土からのフェリーもなく、島外からのクルマの流入はありません。そのため、交通量もほとんど変わらないため、道路渋滞というものはまず発生せず、バスもよほど多客などで乗降に手間取らない限りは遅れてくることもありません。のんびりとはしていますが、それだけに利用者も限られているわけで、島での一民間事業者によるバス運営には大変な苦労もあろうかと思います。
     
     三原山頂に向かう「レインボーライン」と合流し、林の中を下っていくと、間もなく終点の案内放送があり、所要29分で「大島公園」に到着します。乗客の入れ替わりもなく終始4名のみ。運賃は780円でした。よくよく考えたらこの路線、信号機というものが一ヶ所もなく、対向車も全く見かけなかったような気がします。


    運行形態:A+D、路線図掲載:○、乗車難易度:★★★★
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