2010.08.27 Friday

路線バス乗りつぶし 成田空港交通編

0

    ●成田空港交通 博物館線 
    成田空港第2旅客ターミナル→工業団地・南三里塚循環→成田空港第2旅客ターミナル



     私が「成田空港交通」という会社のバスに乗車したのは、今からかれこれ30年ほど前になるでしょうか。当時は京成線の「成田空港駅」が空港ターミナル直下ではなく、現在の「東成田駅」であり、その「旧・成田空港駅」から「空港ターミナルビル」の間を結んでいた連絡バスに乗車したのが同社のバスを知ったきっかけです。しかしそれ以来、空港とその周辺だけを走るという路線環境の特殊性から乗車する機会にも恵まれず、今回は後述する「阪急線」廃止に伴って、それと同時にもう1路線をご紹介する目的で乗車してみたのが、これからご紹介する「博物館線」です。路線名の通り、成田空港の南隣りで芝山町にある「航空科学博物館」へのアクセスを主な目的としているようですが、平日は南三里塚にある「AMBエアカーゴセンター(停留所名は「AMB南三里塚」)」まで通勤・用務客向けに5便運行しており、さらにそのうちの始発1便に限っては「南部工業団地」から「南三里塚」を経由して再び「第2旅客ターミナル」に戻ってくる「工業団地・南三里塚循環」として運行しており、今回はそのマイナー系統に乗車してみることにしました。

     乗車したのはもちろん平日で、第2旅客ターミナル7時00分発のバスが1便だけ運行される循環便なのですが、乗り場となるターミナルビル3階北端(最も後方)の「2番乗り場」のポールには「AMB南三里塚」行きという表示があるだけで、細かな運行系統図もなく、当日乗車するまでこの便が循環運行であるという実態すら掴めていませんでした。

     本来ターミナルビルの3階は国際線出発ロビーの階であることから、各地からやってくるリムジンバスでは降車用の階となっており、逆にこの階から発車していくのは、これら一部の一般路線バスと、空港関連の従業員輸送の特定バスだけです。
     発車時刻の5分ほど前に大型の日野ブルーリボン・ツーステップ車が回送で到着。すぐに行先表示が変わり、これがこれから乗車する「工業団地・南三里塚循環」でした。車体のカラーは誰が見ても「京成バス」にしか見えない、社名等の標記を変えただけの移籍車でした。
     
     運賃は乗車時に行き先を申告する前払い方式で、運賃箱には三角運賃表が貼られているのですが、循環便で一周した場合の運賃が書かれておらず、乗務員氏と思案した結果、単純に最遠区間の運賃を往復分支払うということで決着し、「片道420円×2=840円」を現金で支払いました。同社は京成グループに属していますが、PASMO等には一切対応しておらず、今後もそのような計画はないようです。
     発車時刻となりましたが、乗車したのは私一人だけで、多少なりとも通勤客の利用があるものと思っていましたが、乗務員氏によればこの便は「いつもこんなもの・・・・・」なのだそうです。ただ、もう少し遅い時間帯の「南部工業団地」行きなどは通勤客で1便に50〜60名も乗車するような便もあるそうです。

     発車するとターミナルビルを端から端まで走り、左手に駐機された旅客機やランプバスを見ながらスロープを下ります。そして空港東通り4交差点を左折し、すぐにC滑走路(現時点では誘導路)下を通る木の根トンネルをくぐります。
     
     その先で道路が曲がりくねるのですが、それは今でも周辺に空港反対派の土地があり、それを避けて道を通したためです。トンネルを抜けると左側に芝山鉄道の高架線が並行し、間もなく「工事局」バス停を通りますが、これも博物館線ではこの1便だけが通るもので、このあとの便では芝山鉄道「芝山千代田駅」に乗り入れています。「工事局」バス停も同駅の目の前にあって、車内放送でも乗り換え案内がありますが、バス停は空港敷地内、駅は敷地外にあって、その間をバリケードによって遮られているために、徒歩であっても入場の際には検問を受ける必要があるはずです。

    ↓フェンスに囲まれた工事局バス停の左側が芝山千代田駅

     反対車線には敷地へ入る際の検問所がありセキュリティチェックを受けますが、こちらの便は敷地から出ていく方向なので検問はなく、警備員立会いのもと、ゲートをそのまま通り抜けます。

     千代田交差点で右折して県道・成田松尾線(新道)を走行。そして岩山橋北側交差点を右折して、いったん航空科学博物館の方へ向かいます。しかし、この時間帯はまだ開館時間外なので、博物館の敷地内には乗り入れず、入口手前に「航空博物館北」というバス停があるものの、乗降はなく、ただ敷地の真横を通り過ぎていくだけでした。そして、その先の信号の無い丁字路を左折して、細い坂道を上り、航空博物館入口交差点を右折するとまた同じ県道に出ますが、その県道を博物館とは関係なくまっすぐ抜ける路線(南部工業団地線)もあるので、開館している時間帯でもないのに、なぜわざわざ博物館近くを経由していくのか、少し疑問に感じました。

     そして、南部工業団地を反時計回りに一巡して、この間に「西鉄航空」と「バンテックワールド」という企業名そのままのバス停を2つ通ります。このあとの南部工業団地線の便ではこの工業団地への通勤客が多く利用されているようですが、当便では乗降もなく、決められたルートをただ忠実に辿っていくだけでした。

     南部工業団地より先の区間は、この循環便の単独区間となり、現状を調べてみた限りでは、この区間を通る同社の路線バスは、平日朝のこの1便だけのようです(他サイトでの記述によれば、日中に逆回り便の設定があるとのことでしたが、現在は走っていないようです)。国道296号線(新空港バイパス)を西に向かいますが、沿線には田畑が多くなって、空港周辺の物々しさから一転してのどかな風景で、バス停の間隔も長くなっています。
     
     今度は南三里塚交差点で右折して県道・成田松尾線(旧道・別称:芝山はにわ道)へ。途中でセンターラインもないやや狭い区間を通り、それを過ぎると左手に「AMBエアカーゴセンター」があって、「博物館線」のうちこの便以外のバスは、反対の三里塚方向からやってきて、この構内に乗り入れて折り返しています。当便の場合はAMB構内には乗り入れず、県道をそのまま直進します。
     ここから「本城台」バス停までは千葉交通の「三里塚本城台線(京成成田駅東口〜AMB成田エアカーゴセンター間)」が並走しており、現行の運行ダイヤでは少し待てばそれに乗り換えることもできるようです。そして次第に建物が増えてきて、ようやく乗客があったのが「三里塚」バス停で、ここで女性客1名があり、雰囲気から恐らく常連さんではないかと思います。
     
     熾烈を極めた成田空港闘争の際にはその名を全国に知らしめた三里塚交差点を右折。この交差点の右斜め前にJRバス関東の「三里塚駅」があり、ちょうど成田駅方面に向かうJRバスが待機していました。
     これから通る道は県道・八日市場佐倉線ですが、成宗電気軌道とともに現在の千葉交通の前身である成田鉄道多古線(成田〜三里塚〜多古〜八日市場間、1944年休止・翌年廃止)という鉄道路線がこの地を通っており、この県道の一部もその廃線跡を活用したものと言われています。現在のJRバス多古線は成田鉄道の廃止によって不便になってしまった地元民や貨物の輸送を確保するために、その代行輸送として走り始めたのが当時の国鉄(省営)自動車で、現在も一部は多古や八日市場まで向かうバス路線があり、この先「空港南口」バス停までは当線と並走、バス停もほぼ同じところに設けられています。ただ成田空港交通がこの地に走り始めたのはかなり最近になってからで、少なくとも私が最後にJRバスに乗った頃はまだ走っていなかったと記憶しており、それ以前は千葉交通により「JR成田駅〜成田空港」間の路線が通っていました。しかし後年、JR成田線と京成線が空港ターミナルまで直接乗り入れるようになって、存在意義を失って廃止となり、後に空港側からこの路線が開設された・・・・・・京成グループ全体で路線免許を維持させているような、そんな気がしないでもないですが、これは単なる偶然でしょう。
     
     そのまままっすぐ進むと空港用地にぶつかり、空港建設以前は千代田交差点に向かって延びていた廃線跡の道も、今は大きく迂回させられ、騒音等の問題もあって沿線には人家もほとんどなくなってしまいます。また道路も空港建設の進捗によって、過去幾度もルートを変更しており、ここにきてようやく落ち着いたような感じですが、記憶によれば、かつてJRバス多古線は航空科学博物館のすぐそばには通っていなかったと思うのですが、道路の付け替えによって徐々に近寄ってしまったようです。
     「航空博物館北」バス停で、往路と同じ道に戻り、あとは終点までそのまま逆の経路を進みます。
     千代田交差点でJRバス多古線と分かれ、こちらは左折。今度は空港の敷地に入るため検問所を通る必要があり、すべてのクルマは一旦停車し、身分証明書の提示が求められ、バスの場合は警備員が直接バスに乗り込み、全乗客にチェックをします。この便では2名の客しかいないのですぐに終りましたが、多客の場合だとかなり時間を要することでしょう。
     
     そしてもう一度「工事局」バス停を通過して、木の根トンネルをくぐり、空港東通りからスロープを上って再び「第2旅客ターミナル3階」に到着。ここまで乗客は私を含め2名で、一周に要した時間は42分でした。客を降ろしたバスは、今度は行先表示を「AMB」に変更し次の客が乗り込んでいましたが、これは路線バスとしてではなく、特定バスとして同所への従業員専用便としての運行になっているようです。


    運行形態:C、路線図掲載:◯、乗車難易度:★★★★


    ●成田空港交通 阪急線 成田空港第2旅客ターミナル→阪急カーゴ


     続いて乗車したのは「成田空港第2旅客ターミナル」から「阪急カーゴ」という場所に向かっている、その名も「阪急線」に乗車しました。同線の存在を知ったのは成田空港交通の公式HPからで、すでに数年前からあることは知っていました。ただ、行先地の通り、利用者が限定されていそうなことと、場合によっては敷地内乗り入れのため、部外者の立ち入りが禁止されている可能性もあること、終点の「阪急カーゴ」自体がどのような場所にあるのかさえ分からなかったこと、さらにこの路線が「千葉県内乗合バス・ルートあんない」にもルートや系統一覧が一切掲載されておらず、そもそも特定輸送の類いであると思っていました。当線は開通当初から平日のみの運行で、当初は一日4往復の設定があったのですが、その後しばらくして同社のHPを見たところ、いつの間にか片道1便のみの運行へ削減されており、ただでさえ利用しにくい環境下で、一層乗車困難なものになっていました。そして2010年になってから同線はとうとう廃止という動きになってしまうのですが、一応「千葉県バス対策地域協議会北総分科会」でもこのバス路線存廃についての協議が行なわれたため、それによってこの路線がごく一般的な乗合バスであることについて確証を得ることができました。しかし、ここでの意見聴取では路線廃止についての反対意見はまったく無く、2010年8月31日の運行をもって全線廃止されることが決定、廃止が決まった以上は是非一度でも乗っておきたくなり、早速都合をつけて出かけてみることにしましたが、やはり「阪急カーゴ」という場所の雰囲気がピンとこなかったので、たまたまマイカーで銚子方面に出かけた折、帰り道にこの地を通ってみて、周辺の状況をあらかじめ確認しておきました。
     
     乗車したのは前述の「博物館線」と同じ日の平日で、乗り場は第2ターミナルビルの3階であるのも同じでしたが、「17番乗り場」というターミナルビルの南端からの発車となり、博物館線乗り場とは大きく離れています。この17番乗り場を使用しているのはわずか1便だけの「阪急線」だけで、ポールには行先表示はなく、ただ時刻表が貼られただけの極めてシンプル(?)なものでしたが、廃止が決定したため、それに関する告知も掲示されていました。それには「運行休止」とありますが、正式には9月30日が廃止日で、その間が「休止」という扱いのようです。
     
     発車時刻の15分前に早くも当該便が到着。他路線から連続して運用に入るもので、すぐに行先表示が変わり乗車することができました。車両は元京成バスの日野ブルーリボン・ツーステップ車でしたが、先ほどの同型車と異なり、車内の座席は2列シート主体のレイアウトでした。運賃は前払い方式で、終点まで400円を現金で支払います。
     発車まで時間があり、その間乗務員氏ともいろいろとお話できたのですが、そもそもこの路線は利用者が少なく、片道運行になってからは空港内の時点で乗客がなかった場合には、そのまま運行を中止して入庫しているそうです。確かに同社のHPに掲載されている運賃表も、他線なら三角表になっていて、途中乗降の運賃も表示されているのですが、阪急線の場合は成田空港からの運賃しか表示されておらず、途中バス停は基本的に降車専用という扱いになっているようです。本来乗合バスである以上、定時・定形の運行を行なうことが求められるわけですが、出発時に乗客がなかった定期観光バスのように、‐莠岼靴い離丱皇笋らの乗客が皆無で、途中バス停から終点までが降車扱い専用で、折り返す営業便も無かった場合には、運行管理者からの指示によって、その前途運行を取りやめる柔軟な運用ができるようになった、と聞いたことがあり、この路線ではそれが実際にそのように運用されていたものなのかどうか・・・・・・。ただ今回のように一人でも乗客がいれば運行することになり、それを承知でお願いしてみたのですが、乗務員氏からは「どうぞ、どうぞ・・・・」ということで快く引き受けていただけたものの、恐らく私が乗った日以外は、ほとんど運行実績がなかった可能性があり、もしかしたらこの日が事実上ラストランだったかもしれません。ちなみにバスには方向幕は用意されていましたが、車内放送は無いそうで、どこまでもマイナーぶりを発揮しています。

     発車すると博物館線と同じスロープを下りますが、空港東通り4交差点では直進し、次の空港西通り4交差点を右折して、空港西通りを進みます。この時点で同社の他路線とは全く別の経路を進み、空港西通り1交差点手前に次のバス停である「貨物地区」に停車します。ここまでが乗車バス停で、この時点で乗客がなければ入庫になってしまうようですが、空港バリケード内で一般客が気軽に入って来られるような場所ではなく、ここで過去どれほどの乗客があったのでしょうか。

    ↓簡素な表示だけの貨物地区バス停
     
     そしてゲートを出、国道295号線を少しだけ走行し、浅間橋で国道と分かれ、県道・成田小見川鹿島港線へ右折、今通ってきた国道と新空港自動車道を跨ぎ、日航ホテルの脇を通過。周辺には海外旅行客のマイカーを預かる民間駐車場が多数あります。そして「天神峰トンネル」という滑走路下の人工トンネルをくぐるのですが、ちょうどこの上をアリタリア・イタリア航空の旅客機が通っていきました。
     
     それを抜け、2つめの交差点(交差点名不明)で右折するとすぐに成田市から多古町に入ります。沿線は人家が少なく、田畑と運送会社の倉庫や事務所だけが目立ちます。
     
     
     その先をさらに進むと、どこかで見覚えのある場所を通ったのですが、それもそのはず、2007年まで運行されていたJRバス関東・多古本線の支線であった「一鍬田線」の終点「一鍬田(ひとくわだ)」バス停があった場所でした。この「阪急線」が開設されたのが約5年前の2005年ということなので、1年ほどは両社の路線が交わっていたことになります。その路線とは「中五辻」というバス停(現在は多古町コミュニティバスが使用)付近まで同じ道を通っていたと思います。

     「本五辻」から県道・横芝下総線と合流し、それを走行。「中五辻」バス停を過ぎ、コミュニティバスの「五辻」バス停にもう一本バス停が立っているのですが、乗務員氏によれば、これがこの線の2つ目のバス停である「駐在所」だそうです。片道運行なのに、往復運行のときの名残りでポールは道路反対側に立っていて、時刻表にも通過時刻は表示されていませんでした。

    ↓道路右側のポールがこの路線の「駐在所」バス停

     続いて3つ目のバス停が「登戸台」で、そこにはポールが無くて、コミュニティバスの同名バス停のところに停車するそうです。そして、それを200mほど走ると左側に「阪急カーゴセンター」と書かれた大きな倉庫があって、ここが終点の「阪急カーゴ」となります。折り返しはその敷地内で行ないますが、基本的に私有地内であるため、降車はその門の前で降ろしてもらうか、敷地内に入った場合は速やかに外へ出ることになります。ここまでの所要時間は19分でした。折り返しはダイヤ通り回送となりますが、私は次の予定の都合もあったため、タクシーを呼んでおいたのですが、バスは400円だったのに対し、ここから空港までのタクシー代は3,320円也(迎車料金込み)。コストパフォーマンスとして路線バスのありがたみを実感する瞬間でした。

     本来はこの「阪急阪神カーゴセンター」への通勤・用務客向けに設定された路線だったはずですが、ここで行なわれていた通関業務等を空港の近くに新設された事業所へ移転してしまったために、ここでの業務が大幅に縮小。私がやってきた時点でも構内はいたって閑散としており、本来はその機能が移転した時点で路線バスの輸送使命も終えていたのでした。乗務員氏曰く、今までの乗務経験で客を乗せたのは2回だけだったそうで、地元の住民やタクシー会社の人でさえ路線バスが走っていたことを知らなかったそうですから、ここ最近のマイナー路線巡りの中でも、飛び抜けたマイナー路線が世界の空への玄関口、成田空港に存在したことを記しておきたいと思います。
     タクシーで空港に戻り、都内へは先月に走り始めたばかりの「京成スカイライナー」に乗ったのですが、これに乗れば都内日暮里まではわずか36分。本当に速くなったものだと感じます。


    運行形態:A、路線図掲載:△、乗車難易度:★★★★(現在は廃止)

    Calendar
        123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930 
    << June 2017 >>
    Selected Entries
    Categories
    Archives
    Profile
    Search this site.
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered by
    30days Album
    無料ブログ作成サービス JUGEM